書評

続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い-書評-私の男 pic.twitter.com/nWaaJF1ZC5

男は娘を血の袋として愛してしまう。自分と同じ血が入った袋として、それを娘のように、母親のように、そして自分のように愛そうとした。「欠損家族」の中でハカり知れない孤独と、それによって繰り返し訪れる破壊衝動とを情愛に依って覆い隠し、血がつなが…

耽美系正統派ミステリーにホモォ-書評-神様が殺してくれる pic.twitter.com/kmJGiU143B

図書館で借りてきた。フィットネスで自転車こぎながら読んでたけれど、ライトノベルばりの軽い文体で、すーっと耽美な世界に引き込んでくれる。性別、血統、神様、様々な要素が泡のように出てきては、捕まえられる事も無く上へ上へと離れていく独特の感覚は…

世界よ、これが日本の漫画だ!ぼくなりに今読んでおきたい本7選2013

なんて釣りタイトル。今読んでおきたい本が盛り上がっているのだけれど、がっつりサブカルクソヤローワナビーが厨二病と邪気眼の違いもわからず読むような漫画ばかり紹介されててうずうずするのでいっそ紹介エントリを書いておこうと思い一筆。ヲタ向けの作…

「ポストモラトリアム時代の若者たち」は僕の中で2012年一番のスゴ本だった-書評-ポストモラトリアム時代の若者たち

いやー面白い。心理学、社会学、哲学を往復して現代の社会構造と若者の心理と問題を鳥肌が立つくらい綺麗〜に洗い出した一冊。なぜ腐女子が増えるのか、引きこもりは本当にわれわれが想像しているとおりのキャラなのか、イケダハヤト氏や家入氏はなぜ生まれ…

アウトサイダーコミュニティとの付き合い方-メディア評-漫画「荒川アンダーザブリッジ」

連載が再開して今月新刊が出るらしいので紹介。ナルシストで会社経営者の主人公がある日突然ホームレス達と川の下に住むという破天荒漫画。 ガンガン漫画のくせに登場人物達のキャラ付けがファンタジーの領域を越えない、絶妙なギャグ漫画。カッパの背中には…

なぜ若者は社会貢献をするのか -書評-SQ “かかわり”の知能指数

2011年とかの本。久々に再読した。消費の形の変遷と若者の意識の変わり方をこれでもかと言う位にわかりやすく解説している。どちらかと言うと若者相手にビジネスとか商売したい人達向けに書かれた本なので少し癖はあるけれどめちゃくちゃ面白い。この癖…

精神分析学と言う思想の行く末-書評-フロイト以後

日本でのユング信仰/フロイト信仰は異常だ。精神病のスペシャリスト達が無意識の構造と文字通り夢を見ることについて体系化したのが150年前。いまや半分カルト、半分社会権力と化したその150年前の手法が日本ではいまだカウンセリングで用いられている…

教育格差は問題じゃない、貧困が問題だ-書評-学力を育てる

似たようなタイトルの本があるし学力本とのことでまたかよ感のある内容ではあったが、初学者向けとしては非常にいい本なので紹介と批判メモを。僕が今考えていることのまとめでもある。学力学力って言うけど樹のメタファ使ってみたらドヤァ〜的なものはあるも…

教育を漫画や恋愛で語ろう-書評-学生と語る教育学

かなり参考になったし笑わせてもらった。2002年の本なのに書いてある状況がほとんど変わっていないことは悲しいし、当時としてはセンセーショナルだったのかもしれないが今読むとあれ?となる内容も含まれている。それでも教育に興味がある人であれば、だれ…

「クールティーチャー宣言」という幻想-書評-教育幻想

結構前に読み終えて紹介するかどうか迷った一冊。いくつかの本屋をめぐったがほとんどの本屋に平積みされているだけあって、非常に良いことが書いてあるのだが、僕の感想は「理念はわかるんだけども、事例が不適切すぎる」。なぜamazonでこれほど絶賛されて…

コンテンツ化する大人たちと-書評-キャラ化する/される子どもたち

論としては実感レベルでしか実証できないものの、読み物としては非常に興味深くかつ面白く読めた一冊。62ページという薄さの割に内容の濃さは保証する。本ブログでも言及してきた価値観の多様化・コミュニティの矮小/極小化・地元志向と排他性・宿命論才能論…

25年位前の日本

まだ読書中だけど冒頭の文章に笑ったので紹介。この文章が書かれたのが1983年だという。 いま、世界不況は相当に厳しいようです。すでに経済低迷の時代が長く続き、先行きの明るい見通しもなかなかもてそうにない。その不況が他人事でなく、日本に波及してき…

下手な哲学書より山形浩生-書評-訳者解説

昨年発売された本の中で一番面白かったと言ってもいい本。翻訳家である著者の訳書のあとがき解説を集めた一冊。経済学はもちろん哲学・心理学・文化・数学(統計学)・情報・社会・科学技術から今流行りの開発教育まで幅広く網羅する山形浩生氏ならではの語…

教師が語る教育格差-書評-新しい「教育格差」

最近ぼんやりと思っていたのだが、教育ジャーナリストを応援する風潮というものが日本にはない気がするのだ。 ITジャーナリストや政治ジャーナリストは賛否両論ではあるが多くの人に注目されているかたわらで、ひっそりと活躍を続ける教育ジャーナリストたち…

「漫画で読破」シリーズを11冊紹介

劇団ひとりがオビを書き、「蟹工船」が漫画化されたことでも話題になった「漫画で読破」シリーズ。小説から評論まで コンビニで見つけるたびに買っていたらいつの間にか11冊たまっていたので簡単に紹介。仕事で使うつもりがないなら漫画で読んで十分だ。 わ…

人間性から関係性へ-20歳までに出会っておけばよかった本の補足

二十歳までに出会っておけばよかった10冊 - 技術教師ブログ200ブクマ位言ってほしいと思いながら記事をちゃちゃっと書いたらまさかの1000ブクマを記録してしまいました。あの程度の記事で本当に申し訳ございません。でも僕がチョイスしたのは寛大になるため…

二十歳までに出会っておけばよかった10冊

多分当時の僕に文字多めの専門用語多めの本を渡しても読まないと思うので誰でもそれなりに読めて面白くて気付きが多い本って基準でセレクト。 自分の小さな「箱」から脱出する方法作者:アービンジャー インスティチュート,金森 重樹,冨永 星発売日: 2006/10/…

内田樹絶賛のヤンキー本-書評-教育をぶっ飛ばせ 反学校文化の輩たち

本書は定時制高校の教師が、学校でのエピソードを通して生徒たちの思考のプロセスを追いながら、従来教育で良しとされてきたことを問い直す本。本書が面白いと思えるのはそこに7割の不幸と3割の幸せがあるからである。教育をぶっとばせ―反学校文化の輩たち (…

サブカルコンテンツとしての教師-書評-中学教師裏物語

本書は現役中学校教師が書いたリアルな現場レポート。現場を経験した人間なら頷かざるを得ない事実ばかりが網羅されている。 本書の主張は単純明快。本書オビより 聖職だとはいうけれど、先生だって人間なのだ とひたすら気づかせてくれる一冊。本屋の教育書…

階層社会と幸福のジレンマ-書評-日本の難点

僕はこの本の存在を支持する。この本に反論するぐらいに気合入れて勉強・情報収集して反論して社会を導いてくれる官僚やエリートの出現を期待している。 本書は日本を代表する社会学者宮台真司氏による日本の問題点をひたすら列挙した本。 話題の切り分け方…

悩んだ時はロールモデルを見直す-書評-人間関係力

副題は「困った時の33のヒント」 オビの 「辞めてやる!」と思う疲れた心によく効きます と言う言葉がまた大空振り。なぜなら本書はだれでも手軽に楽しめるローカル遊園地のような一冊。総評として、自己啓発書はこうあるべきなのかもしれない。久々に自己啓…

若者の法則が面白い-書評-若者の法則

香山リカ氏のちょっとしたエッセイ集なのだけども中身が異常に面白かった。ブックオフで105円で買ったが1000円くらいの価値があるかもしれない。2002年の本なのだが今読んでも面白いのだ。

OFFICEソフト用書籍を久々にやりなおしたよ

個人的な事情によりOFFICEソフトの基礎から学びなおしている。 基礎応用ともに1日一冊3時間位でこなすことができるし改めて体系的に勉強したいとき書籍でたどることが有効であること、WEBの情報はジャンクの寄せ集めなのだと感じた。もちろん場面に応じるで…

愛国心という病-書評-<私>の愛国心

香山リカの本は好きだ。彼女の言論は認識の上で成り立つものが多く、専門の精神病理以外の分野となると評価は二分される。 良著はたくさんあるのだが、本書はちょっと惜しい部類に入る書だったのだが、僕はこの本をブックオフで105円で手に入れたので全く文…

中学生でも理解できる記憶術の本-書評-マンガでわかる記憶力の鍛え方

サイエンス・アイ新書から児玉光男氏の記憶術入門書。 一般的な自己啓発本と内容自体一緒だけど、挿絵も多いし文字数も少ないし、学校で職場で話題として使えるかもしれない。 記憶術とか知らないって人は本屋で見つけたらぜひ立ち読みを勧める。どちらかと…