哲学

同質性の高い集団なんてあり得るんだろうか??

教育系のイベントに行くと、同質性が高くて多様性に関する寛容性が足りてなくて云々という話によく出くわす。とうぜん日本では男女の雇用格差すらまだまだ是正されておらず、性別が違うだけでこのありさまで、国籍が違ったらどんなもんじゃい、という話にな…

今年もあと1ヶ月、2016年のうちに目を通しておきたい本11冊

ということで今年見つけた本を紹介。いろいろ面白い本からおかしな本までバリエーション豊かに出版された年でした。コミックもまとめたいけどまた今度。 〈オールカラー版〉 魚はエロい (光文社新書)posted with amazlet at 16.11.29瓜生 知史 光文社 (2016-…

ストリートアートは最後のアメリカンドリーム-映画評-バンクシー・ダズ・ニューヨーク

友達にオススメされて映画バンクシーダズニューヨークをみてきた。超面白かった。

二階堂ふみの強烈にして官能的な濡れ場-メディア評-映画「蜜のあわれ」

公開初日に鑑賞。軽妙、怪奇、官能。コミカル、ホラー、エキゾチック。なぜか人間になってしまった金魚と年老いた小説家の織りなすパラノイア恋愛もの、ザ、文学作品。金魚役の二階堂ふみ、日々ロックより可愛かった…。

消えたストリートの社会学-メディア評-映画「バケモノの子」

なぜ人はバケモノにすら承認を求めようとするのか。この映画ではバケモノたちが排除された存在でなく、人間(日本人)との住み分けを進めた異文化のコミュニティの象徴として描かれる。バケモノたちには心の闇がない。バケモノたちには武器がある。 暗殺教室…

ちきりん氏の科学教育論もそろそろ幕引きで

チキリン女史が投げかけた俺流科学教育論がわけのわからん議論を呼び起こしている。 2014-02-25 ちきりん氏のお粗末な科学教育論 - バッタもん日記 「役に立つ知識」としての学問: やまもといちろうBLOG(ブログ) 「ただの知識」だけ学校で教えてもあまり役…

<>を使い留保せよ。僕はキメ顔でそう言った-書評-「現象学は思考の原理である」

3年前くらいに読んだ気がするのだけれど、哲学書は多角的な読み方が必要となるため、書評が難しすぎて結構な割合で放置している。 本書はその中でもわかりやすさ抜群。それもそのはず、入門書を書かせたらわかりやすさ大絶賛、専門書を書かせたら大批判でお…

BBA達はいかにセックスアンドザシティを楽しみ炎上を解釈したのか -メディア評- 映画「ハンナ・アーレント」

年末に岩波ホールで鑑賞。チケット入手に40分強並び、これで内容が酷かったらおこだよ!と思ってたけれど、案外よかった。 本作は、哲学者であり活動家であった50歳のハンナ・アーレントの執筆と反響と過去を描いた作品。開始15分はひたすらジジババが知識…

オタクになろうとするヤンキーと、ヤンキー化する秋葉原-いまさらC84レポート-

今更で申し訳ないが、気鋭の新人アーティスト、水曜日のカンパネラのボーカルを案内するためにC84 3日目に参加して来た。 今回は3日間で59万人と過去最高の来場者数を達成し、また別の層を取り込みつつ市場は大きくなりつつあるのではないかと感じさせる。 …

「ポストモラトリアム時代の若者たち」は僕の中で2012年一番のスゴ本だった-書評-ポストモラトリアム時代の若者たち

いやー面白い。心理学、社会学、哲学を往復して現代の社会構造と若者の心理と問題を鳥肌が立つくらい綺麗〜に洗い出した一冊。なぜ腐女子が増えるのか、引きこもりは本当にわれわれが想像しているとおりのキャラなのか、イケダハヤト氏や家入氏はなぜ生まれ…

意識の高い人追悼2012

意識の高い学生(highconscious通称ハイコン達)はなぜ死にものぐるいで殴られても意識高い学生を演じ続けるのか、最初は笑い者だった意識高い若者()達もいまや笑い者にすらならず、バカにしてるのは常見陽平氏とその取り巻きくらいである。あれはあれでプロ…

精神分析学と言う思想の行く末-書評-フロイト以後

日本でのユング信仰/フロイト信仰は異常だ。精神病のスペシャリスト達が無意識の構造と文字通り夢を見ることについて体系化したのが150年前。いまや半分カルト、半分社会権力と化したその150年前の手法が日本ではいまだカウンセリングで用いられている…

学生にこそ知ってほしい戦略から考える方法

大学が学問だけを教える場所でなくなってきた 大学時代から大きな勘違いをしていた。大学時代、アントレプレナー教育や起業教育研究をおこなっていた流れでドラッカー研究を行っていた。ドラッカーは経営学のオリジネータだという。しかし、経営学は学問なの…

サブカルクソヤローがなぜむかつくのか-あるいはオタクとニャル子とディスタンクシオン

ヒエラルキーは場に宿る。例えば学校という場は勉強をする場所であるにもかかわらず、いかに勉強以外のことをうまくこなせるか、という独特のスクールカーストがあり、それは学校ごとに微妙に異なる。 遊べる本屋でおなじみ、ヴィレッジバンガードにいけば、…

<みじめ>と不自由のトレードオフ

最近は人のネガティブな<感情>がどのように湧き出てどのように語られどのように処理されるかを考えているのだが、いくつか思うところがある。 一つは感情は身体から独立できないということ。例えば女性の場合PMSによって憂鬱や感情の起伏が激しくなること…

twitterは個人をクラブ化するのか

僕のtwilogによるとtwitterを使い始めてちょうど3年になるらしいので3年間で見てきたTLから想った事を少し。 一カ月以上前であるが、ディスコとクラブカルチャーに関する論文を読んでいたら、twitterとの類似性をいろいろ発見したので書き記しておこうと思う…

下手な哲学書より山形浩生-書評-訳者解説

昨年発売された本の中で一番面白かったと言ってもいい本。翻訳家である著者の訳書のあとがき解説を集めた一冊。経済学はもちろん哲学・心理学・文化・数学(統計学)・情報・社会・科学技術から今流行りの開発教育まで幅広く網羅する山形浩生氏ならではの語…