学生にこそ知ってほしい戦略から考える方法

大学が学問だけを教える場所でなくなってきた

 大学時代から大きな勘違いをしていた。大学時代、アントレプレナー教育や起業教育研究をおこなっていた流れでドラッカー研究を行っていた。ドラッカー経営学のオリジネータだという。しかし、経営学は学問なのか?そう考えてドラッカーを取り扱うことをやめた。問題解決学だの経営学だのMOTだのと言った「学問」は分類は出来ても体系化できない。
これらは人材育成と呼ばれるカテゴリで扱われる。社会教育としてセミナーも行われている。
これらは<教育>ではなかった。起業教育なるもの自体が完全に語義矛盾であるか、言葉と学習内容が乖離している。<教育>とは何らかの形でテストを行い何らかの再現性のある達成目標に達したかを確認するものだ。これらの教育には収束するような正解はない。10000円欲しいとき、条件に合わせて100人から100円づつ集めるのも一人から10000円もらうのも正解だからだ。
 起業に(類似性は多々あっても)再現性はない。それだけではない、扱いようによってはそれらの教育モデル達は洗脳のようになる。起業家や成功者たちを尊敬せよ、という信仰を押し付けてくる。<教育>ではないのであればなんと言う言葉がしっくりくるか、<訓導>という言葉、すなわちその本質は戦略を考えさせることである。教育NPOや教育事業なんていいながらも戦略しか教えない団体は山ほどあるし、学習支援団体って言ってる方がよっぽど確実に<教育>している。
その上本人達はそれを戦略として自覚して教えている訳ではない。考えてみればわかるのだがずっとこの<教育>ではない<教育>について引っかかっていた。しかしそんな言葉の整理をしたい訳ではない。
 この戦略と言う言葉を知ることで分解能となり世の中がくっきりはっきり見えてくる。知識でも身体的ノウハウでもない、知的ノウハウが戦略であり、一つのカテゴリでありレイヤーでありジャンルでなのだ。
 いまあらゆるマイナー業界で高学歴化の波がきている。芸能なんかはわかりやすく、昔はアウトローがばくち的に参入するのが芸能だったのに対し、最近はある程度業界と言うゲームを分析し成功しているクラスタが存在する
一方で学校的な勉強ができなくてもバカでも戦略さえうまければ様々な分野で成功することは可能だ。ブログを炎上させるステーキ屋の社長や、あるいは選挙に出馬して自分の会社を宣伝する社長を見てうまいなーと感心したものだ。もしくは
アイドル業界ではアイドルを研究しながら自信もアイドルとして成功しようと活動しているメタアイドル達が増えており、アイドル戦国時代は一昔前のアクターズブームとは違った様相を見せている。
 では戦略として何から考えて行くべきかを示して行こう。もし仕事がうまく行かないときや、新しい何かを始めたいときのヒントにしてほしい。目次は以下だ

  1. 秀逸なビジョンとストラテジはバカをも成功させる
  2. ビジョンの検討と問題認識
  3. 理念・ミッションなんてくそくらえ、ビジネスは説得力ゲームだ
  4. ビジネス書は読むな、読むなら数百冊単位で読め
  5. 社長や上司がいけ好かないのは当たり前
  6. 勉強法はシンプル
  7. 肥大化戦略と縮小戦略
  8. 研究は新たな戦略が生まれる源泉
  9. 知識と戦略を両立するのではない、往復するのだ
  10. webサービス「synapse.am」が費用対効果から見てもオススメ

秀逸なビジョンとストラテジはバカをも成功させる

 研究の世界でも、ココ10年は、研究バカになりすぎるなといわれ、これが表面的には専門分野だけでなくいろんな他分野の教養を詰めと言う意味に受け取られて来たが正確には違う、その専門を生かす戦略を知れ、ビジョンを持たなければならないという意味に他ならない。
 またリーダーシップの涵養が叫ばれて久しいがリーダーシップとは戦略をどれだけ知っていて、ビジョンを作りどれだけストラテジに落とすことができてどれだけ実行できるかどうかという能力である。
 ビジョンとは文字通り戦略を達成した先にある世界観であり、それを達成するための段取りをストラテジ(方略)と言ったりする。方略と戦略はほぼほぼ同じものであるがここでは戦略はジャンルとして扱っているため分けておこう。
 ビジョンは世界観であるため世界の解像度が高くないと碌なビジョンが作れない。実際にいくらビジョンがあっても不況が解決するとは限らない、政治分野ではビジョンと知識の両立が不可欠である。あまりに高度すぎるためアメリカには選挙専門のコンサルタントがいるくらいだし、日本の政治家は慣習ばかり重んじて戦略性が低いため維新の会のような戦略重視のパフォーマーが注目を浴びることができる。。それでも戦略がうまく行かない要素が多すぎる世界が政治である戦略には相性がある。。
 戦略が通用する世界は限られている。戦略は、競争にしかいかせない。ワークライフバランスのように仕事とプライベートで分けるのであれば、戦略が活かされるのは主に仕事である。
 どんなにバカでも、収集な戦略と優れたパートナーや忠実に動いてくれるプレーヤーがいれば成功は不可能ではない。現に戦略家たちは教育コストを下げながら収益を上げるために、日夜優れたビジネスモデルとミスをしない組織の作り方を研究している。こうしたパッケージ化やオートメーションも優れた戦略である。

ビジョンの検討と問題認識

 具体的にどんなビジョンを描くかはいくつか流派があるのでいろんな人に聞き回って自分で分類することを勧めるが、日本語の解く緒もあって、日本人はビジョンから具体的目標に落とすことが最も苦手ではないかと感じる。例えば「幸せな社会にしたい」はいいがそれはどうなったら達成されたことになるのか。
「お金持ちになりたい」というビジョンはいいが、実際にいくら位稼いでどんな生活をすればお金持ちなのか、この辺りの発想が貧困だ。まず次の2つのアドバイスをしておく。

  • 目標設定によって問題は確定する

 例えば年収1千万円稼ぐ、という目標を設定したとき、年収が1000万円に見たないことが問題と見なされる。社会問題と言うものは多くの人々の関心を引くが、社会問題と言うものは自然に存在するものではない。人が数値を決めて初めて問題となる。
例えばNEET、定義は34歳以下の就業してない、職業訓練も通学もしていない人を指す。これは年齢を儲けることで34歳以下が労働力として重要であり全ての状態に属さないのは社会的に問題である、と定義から問題設定される。問題設定がアバウトすぎるとアバウトなビジョンにしかつながらない。

  • 目標設定はなるべく期間設定と数値を決める

そして特にへたくそなのは時期を考えた目標設定だ。短期的にはこう、中期的にはこう、長期的にはこうなっていてほしい、は基本だ。長期的に勝ち続けたり問題を根絶したい場合は中期的な目標として回り道を設定することだってある。
短期的には1年で純利益来年までに何%UP、中期的には設備投資の達成度を作り、長期的には何年で雇用何百人を目指す、など数値が具体的であるほど失敗したときの対策なども立てやすい。
数値と言うものは我々が考えるより一回り加速が遅い。そうして数値は直線上に、停滞と成長の波を繰り返し、指数関数状にあがって行く。

理念・ミッションなんてくそくらえ、ビジネスは説得力ゲームだ

ビジョン、ストラテジと一緒に語られるのがミッションと団体理念であるが、ビジョンもストラテジもミッションも理念もすべてストラテジに吸収される。PDCAのDCAがすべてPに吸収されるように。多くの本はこの4つの要素が全てのように語るがそんなことはない。より説得力の高いものができるのであればどんどん修正すればいい。
ビジョンやストラテジなんてモノは自分も含めた他人に伝えるために作るのだ。得に理念、ミッションは自己暗示・説得のためのツールにすぎない。自分を騙せ、他人を騙せ、自分ごと他人を騙せ。戦略は説得力ゲームの側面を持つ、他人をどれだけ深く多く説得して巻き込むかが重要だ。
もう一つ大事なことを話しておこう。他人に語った言葉が嘘かどうかは基本的に結果がでてから決まる。どんなに誠実に言葉を吐こうとどんなに軽薄に言葉を吐こうと従った結果が出たものが正直者であり結果がついてこなかったものが嘘つきだ。真偽というのはあとだしじゃんけんできまる。
予言の自己成就に至るまで説得力の高いビジョンやストラテジを繰り返し練り上げ、唱えるのだ。ミッションや理念は説得力を上げるためのツールでしかない。

戦略的な視点を嫌いな人こそ勉強をしておくべき、知らないと騙される

ココまで読んで戦略とか計算高い感じがいやだ、なんか吐き気がして来た、という読者もいるかもしれないが、戦略でなく善意や規範を軸に動く人ほど搾取されてしまう可能性がある。
自分が搾取されるならともかく、自分の大切な人たちが搾取されないためにも戦略と言う考え方の基本は知っておいた方が良い。規範を重んじる人の方が一人勝ちの状態を許容しがちであるし、戦略を重んじる人の方がwin-winの関係をデザインするのが得意である。

ビジネス書は読むな、読むなら数百冊単位で読め

ビジネス書や自己啓発の意義は2つ。一つは戦略を学べること。一つは自分のリミッターの解除の仕方を学べることであった。過去形である。
今でも一部のセミナーでは戦略の練り方とリミッターの外し方を教えてくれる。自己暗示をかけてテンションをハイにして頭の回転を早めたり速読の仕方を教えてくれたり、ピンチのときに人一倍働ける方法を教えてくれたりする。
なぜか。見込みのある人であれば何か事業を興してビジネスパートナーとしてお互いに美味しい話を持ちかけあうことができる可能性が高いからである。
しかしビジネス書となると、そのセミナーの宣伝材料として使われこそすれ、核心的なことは小出しにして、ひたすら単純化された戦略や過去の成功事例ばかりが述べられ、あとは勇気の問題だ、と結ばれる。
ある本には儲け度外視で責めろと書いてあり、ある本には慎重にいけとかいてあり、ひどい本には1章には楽観的であれ!踏み出せ!と書いてあり2章には悲観的であれ!突っ走るな!と書いてあることすらある。
物語を美化するために小さな失敗事例を紹介して成功ストーリーとして組み立ててくる場合もある。実際は別の事業で屍がうようよ浮いていてもそれを隠しながら最後に勝ったから俺の戦略は正しい!と叫ぶ方が受けがいい。
何が本当かわからない以上情報戦だ。業界に顔が利く友人などがいれば「あれゴーストラーターらしいよ」とか「あれ部下がやったことを自分の手柄みたいに言ってるだけだよ」などの情報は入ってくるが、それがないのであれば戦略と戦略の語られ方のパターンを知ることが重要になる。
読むなら数冊で満足せず、数十冊、数百冊眼を通すこと。目次を読むだけでも良い。読む本は古くてもいい。内容を整理しろ。どんなことを言うと人に受けるか研究しろ。なぜその本がブックオフの本棚に並んでいたのかを考えろ。だんだん本の著者たちが、賢くて戦略がうまい人、バカだけど戦略がうまい人、上司や部下が戦略がうまくて乗っかった人、のどれなのかが見えるようになってくる。

社長や上司がいけ好かないのは当たり前

 話は変わるが評判や感情の変化を戦略の中に盛り込まなければならないときがある。感情は不確定要素が多く、慣れていないと扱いがくいうまく行かない。その中で怒りや悔しさは一番演出が簡単で計算しやすいのでよく使われる。一番最初に難しい課題を課す会社があるのもこのためだ。社会学ではイニシエーションと言う言葉を使う。あるコミュニティに所属するための通過儀礼のことだ。
あの厳しい訓練を経ることで会社を簡単に離脱しないように、という意識を植え付ける、長期的に一緒に仕事を行ってもらうための研修戦略としては一番コストパフォーマンスが高い。社長や上司が無理解でいけ好かないのは当たり前なのだ。
もっと観察してみれば、そこから何が見えてくるか。例えば「最近の若者は」という言葉にはたいてい無気力で、無責任で、無関心で、と続く。「最近の若者は」は戦略をミスった上司クラスの人間が言う言葉である。
もっと言おう、たいていの戦略として語られるストーリーなんてものはあと付けだ。ビジネス書や自己啓発書の内容に最も多いのがこれで、戦略的にこうしてみたらうまく行った、などと言っているものの大半はもっと別の理由で支持されていたりたまたまテレビで取り上げられて注目されたりしてうまくいったのを綺麗な言葉に包んでいたりする。
新しいwebサービスがうまく行ったのは戦略的PRと斬新なUIが受けたから、なんていいながら実際の普及の理由はアダルトコンテンツがあるから、とかそんなものだったりする。多少差し引いたり実際を想像する訓練も必要だろう。ここらへんは情報リテラシーと重なるところではある。

勉強法はシンプル

 シンプルでなければ知識がない人でも成功するなどと言うことはあり得ない。物語の中から戦略を読み取りどんな場面に応用できるかをひたすらシミュレートするだけだ。友人などと語り合っても良い。ではどんな物語から読んでいけば良いかを紹介する。

  • 歴史から学ぶ

 王道であり、起業家達の一部は歴史物国取りものの小説が好きだったりする。逆に言えば社会で学んだ歴史や世界史の教科書を戦略を学ぶ形で読み直してみると非常に面白いはずだ。戦略と言う言葉を使わなくても時の一国一城の主達が考えて来たことを語るのは先生達も好きだ。
 注意すべき点はたいてい歴史の場合成功の秘訣は緻密な計画であり失敗の原因は怠慢である、と説明されることがあるが、ちゃんと読み込んでみると意外と属人的な問題で失敗することは少ないしむしろ戦略の失敗(根回ししないとか新しい政策のメリットを理解してもらえなかった田沼意次のような人物とか)の方が多い。
 歴史は誰かが教訓を与えるために編成したものだという前提は知っておきたい。その教訓の中には生兵法はケガの元というものもある。歴史にでてきた戦略に当てはめて考えることができるか、説明することができるかが問われる。

  • ゲームから学ぶ

スポーツも含めたゲームはルールの中でいかに巧妙に勝つか、という戦略が試される場面が多い。友人の田村社長いわく「朝までポーカーなどを良くする。ブラフなんて人生でそう何度もかける機会なんてないが、ポーカーではその機会が3分ごとにやってくる」とご飯を食べながら語っていた。
ボードゲームテーブルゲームなども意外と運以外に戦略が試されるものは多い。将棋やオセロ、カタンなどオンラインでも出来るものも多く、人狼などは楽しみながら嘘をつく、何をすれば誰が得するかという論理的戦略を練る訓練にはもってこいだ。

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  • 成功から学ぶ

 もっとも正攻法である分、書籍などははずれも多く、皆が欲しいと思うものを皆が欲しいと思うようにPRして売った、みたいなことを自分の過去の経験を交えて書かれているが、先に書いたように後付けの戦略も多く教訓も薄いものが多い。
事前に評判を調べて読むと良いのだがたいていそう言う本はバカな信者が天井効果が出るほどの好評価をしていたりするので、一つの成功事例(例えばアップルについて)をいろんな著者の書いたものを読んで多角的に分析する方を勧める。

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  • 失敗から学ぶ

小さな失敗は語られても大きな失敗をしたものは発言権を失うのであまり語られない。いろんな人の失敗を記録した本は貴重だ。
僕の専門分野である教育もIT戦略もwebサービスも、失敗事例が共有されにくいばかりに同じようなサービスが乱立しては消えてゆく。
どの業界でも同じなのかもしれないが、失敗を分析して原因を一つ一つ潰すこと、それからなにか挑戦して失敗したときにどうするかという段取りもちゃんと学んでおくことが重要だ。経済産業省がこれらの失敗をデータベース化している。失敗学のサイトも面白いかもしれない
ベンチャー企業の経営危機データベース(METI/経済産業省)
http://www.costdown.co.jp/blog/2011/09/post_2101.html

  • 道徳から学ぶ

学校の授業で道徳の授業、学校や先生ごとにやることが違うため一概に言うことは難しいが、一般的な道徳の授業は愛だの友情だの正義だの思いやりだの非暴力だのを扱いながら、よく考えてみるとそれらの葛藤をどう解決するかと言う戦略教訓を学ぶことが求められる。
試しにいろんなジレンマを調べて自分だったらどんな戦略で解決するかを考えてみると考え応えのある問題が多々あるだろう。
ジレンマ - Wikipedia

  • 統計から学ぶ

 統計的な思考は勉強しておきたい。いまや食もリスクも感情も、いろんなモノが数値化されている。数値を見ることで現状を解像度高く知ることができ、何が問題とされているかを知ることができる。
 数値化されたとき、大事なのはクラスタと呼ばれる正規分布に収まらないデータ達である。普通のことは普通の人たちはみんな考えている。普通に収まらない要素達がビジネスチャンスも失敗のリスクも握っていたりする。
 精神論的にいうならば皆が右を向いてるときに左にも気を配れるかどうか、が大事と言うことである。それから平均や中央値や偏差値など、数字は平気で嘘をつくため、騙されないよう簡単な数字の扱い方を知っておくこと。統計は数値化する際に、何を数値化してどう測っているかというヒントを得られる。例えばなにかサービスを考えているのであればなにが満足度と相関するかなどを考えてみるのも良いだろう。
オススメはŽÐ‰ïŽÀîƒf[ƒ^}˜^ Honkawa Data Tribune
ビジョンにも戦略にも応用できるデータが沢山ある。他にもいろんな統計データは検索したらでてくるので知識教養としても見ておくと良いだろう。

肥大化戦略と縮小戦略

 成功失敗の話をしたので一言書いておくが日本は肥大化や成長の戦略は得意であったが、肥大化しすぎて停滞しているときに縮小する戦略は昔から苦手であった。サービスが売れすぎたIT企業なんかは、お金を持った後は企業買収くらいしかすることがない。
 本当に成功するかどうかは引き際の戦略デザインにかかっている。例えば社会問題を解決するといってお金を集めている学生団体やら社会起業NPOが、何を達成したら解散するかや方向転換するかなどを評価方法すらアバウトに活動している事例も多々ある。
 不幸を無くす団体は最終的に目標を達成したら解散すべきなのだ。必要とされないことが最高の結果なはずなのに、必要とされたい若者達がそういった団体に集まってくる。東日本大震災の復興支援団体がどこでプロジェクトをやめて方向転換するか、質や実現可能制の高低はあれど僕が応援している団体はみなちゃんと戦略を練っている。

研究は新たな戦略が生まれる源泉

 戦略を練るとき、不可能に見えるものを可能にするにはどうしたらよいかを考える場面が多々ある。そんなとき大学や研究所での最先端の研究の仮説や成果は、可能性もマーケットも広げてくれるものだ。
iphoneだのipadだのは別に信者ではないが、不要な効果をどんどん外して最先端の技術を突っ込んだらあり得ないほどの経済効果を生み出した。世間はこれをイノベーションと呼びイノベーション研究なる戦略研究分野も至る所で立ち上がっている。
僕の尊敬する秋葉原UDXなどをプロデュースした妹尾先生なんかは長年この分野に携わり様々な実践をされている。
Simple x Japan 妹尾堅一郎氏インタビュー 前編 | Simple x Creative
NPO法人産学連携推進機構 – The Industry-Academia Collaboration Initiative Nonprofit Organization
スキマ産業はハイエナのようにいろんな戦略家が狙っている以上、一定の素養がないと扱えない最先端研究をどう活かすかを狙うのも戦略としては重要だろう。

知識と戦略を両立するのではない、往復するのだ

 知識が豊富で賢いから戦略が立てられる、という訳ではない、前エントリでも言ったが、日本には賢くても戦略が下手な人たちが多すぎるし、一方で無知であることも戦略に取り込まれてしまう、訓練すればロジカルな考え方が出来ないことですら戦略として取り込むことも可能だ。
知識と戦略のうまさは別レイヤーだ。知識でも身体的ノウハウでもない、知的ノウハウが戦略であり、一つのカテゴリでありレイヤーでありジャンルでなのだ。戦略を立てるときに知識を訪ね、知識を得るために戦略を立てる。戦略がないと何を学んでよいかわからず不安になる。
知らないことは知らないと言える戦略も時には選択する必要がある。何が一番説得力に結びつくか、戦略という視点からもう一度知識を見直してみることだ。

webサービス「synapse.am」が費用対効果から見てもオススメ

 ココまで語っておいてなんだが僕自身別に起業家でもなんでもないし説得力は弱い。しかし僕個人は多くの人が寛容になれる社会を作りたいと思っているし、マイノリティ出身の人が世の中に身を立て名を挙げるお手伝いをするのが僕のミッションだと思っている。だからこういった情報や情報の欺瞞を伝えることについては立場上言葉は選ぶが出し惜しみはしない。
 一番良いのは情報を提供しあえる間柄を作ることだろう。僕は学生時代から良くしてもらっている社長の友人が何人かいたり、空気を読まずにいろんな業界に顔を出しているのでこの手の情報を不定期で手に入れることができるが、実際にそういう人と出会えるかは運もあるためだれしもがそうもいかない。
そこでネット上でオンラインサロンでセミナー講義を受けたり相談ができるsynapse.amをお勧めしたい。先ほどもでた友人の田村社長が会社を思い切り方向転換して出来上がったサービスだ。facebookアカウントさえあれば月1000円程度でオンラインで最先端を走っている人たちの戦略を聞けるうえ、質疑応答も出来る。
一回5000円や10000円もするくせに講演者が延々と語り続けるようなセミナーにでるより全然費用対効果が高い上、facebookなので発言者の素性を簡単に知れて同志を見つけることも可能だ。師匠も兄弟子も同時に得ることができオンラインで切磋琢磨しあえる。
活用するも良し別の社交界にでてそう言う人脈を得るも良し、なにかプロジェクトをする訳でなくとも戦略と言う切り口で世の中を翻訳し直してみることも新たな発見につながるだろう。僕のこの記事も、どういう戦略で書かれたものか、ぜひ分析してみてほしい。
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 コストパフォーマンスで言えば最近は戦略を学ぶことができる漫画も充実して来ている。以下に紹介する本は今回この記事を書こうと思うきっかけになった漫画である。漫画から入ると非常に分かりやすい反面容易く信じてしまうことがあるので注意した方がいい。他にも取っ付きやすい書籍は山ほどあるのでぜひ開拓してみてほしい。

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