3行で済む映画-メディア評-映画「Like someone in love」

 たまには酷い作品の紹介も。最近見た映画の中では最悪の部類だった。フランス映画っぽい対話を重視した静かな作品。ひたすら賢いエロジジイが風俗嬢に紳士っぷりを発揮したら風俗嬢の彼氏を怒らせた、だけというあらすじ。あらすじどころかwikipediaにはストーリーがこう紹介されている。

デートクラブから派遣された明子は、タクシーである男の家に向かう。彼女のことばを信じて駅のベンチで待つ祖母に心で詫びながら、明子は目的地である元教授、タカシの家についた。タカシは高齢ながら女性の扱いは不得手であり、明子の機嫌をとろうとサービスにつとめるが、当の明子は疲れ果ててそうそうにベッドで眠ってしまう。それでも翌日、タカシは彼女を通っている大学に車で送り届ける。大学で明子を待っていたのは、怒号を浴びせかける恋人の樋口だった。樋口をなだめようとしたタカシは、なりゆきで明子の祖父をよそおって彼の気持ちをおさめる。だが一度は何事もなくすんだ事態も、タカシの「嘘」がきっかけとなって悪化、樋口はタカシの自宅に投石し殴り込むのだった。

ライク・サムワン・イン・ラブ - Wikipedia

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 本作品はイラン人監督アッバス・キアロスタミによるクラウドファンディングで作られた作品。びっくりしたのが、上記のwikipediaのあらすじが本作のすべてで、石を投げられて窓ガラスが割れて作品のエンドロールが流れる。 高梨臨の足が綺麗なのと、加瀬亮のDV彼氏っぷりがひどいくらいに演技が上手いのと、爺さんの言い回しが上手いのが見所というか救いで、何も得るものがない。タクシーからみえるロケ地も目的地を考えるとかなりバラバラな道を通っており細部にわたって気配りが足りてない印象を見て取ってしまった。あ2時間ミュージックビデオタイプの映画とはまた違った後味の悪さを感じる作品だった。