最強の癒し系ギャグアニメ「聖☆お兄さん」を楽しむための10のtips-メディア評-映画「聖☆お兄さん」

 ギャグ漫画原作、サブカル育ち、世界で一躍有名になった日本を代表する漫画、聖☆お兄さんがアニメ映画化。前評判の割にぜんぜん感想を聞かなかったので原作レイプだの監督の趣味だのとこき下ろそうと覚悟してお台場のレイトショーで鑑賞。期待値低かったせいもあり超裏切られた。なにこの癒し系ギャグ映画。見事。
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 本作「聖☆お兄さん」は「荒川アンダーザブリッジ」の中村光原作。世紀末、ノストラダムスの大予言をくい止め、一仕事終えたブッダとキリストがバカンスがてら日本の立川でルームシェアをする一年を描いたもの。季節柄のイベントとそれを楽しむブッダとキリストの無邪気な姿がこれでもかというくらい見るものを笑わせてくれる。と同時にこの作品のテンポ自体が笑いの沸点を下げてくれるというのも事実だ。ほんとなんでもない一言一句でニヤニヤしてしまう。
 この手のサブカル映画特有の間みたいなものもなく、登場人物たちはテンポ良く掛け合いをしては笑わせてくれる。大家さんもヤクザも、イメージぴったりに再現されていた。
 ブッダとイエスという設定が斬新なのは、本作で見せた一年をずっとこれからも繰り返し続いていく「この瞬間がづっと続けばいいのに」を可能にしてくれる至高の刹那主義映画でもある。
 いかに俺が考えた最強の聖☆お兄さんを紹介(する体で映画のどこが面白かったかを紹介する)

1、手塚治虫ブッダを読破

 ブッダにかかわる周辺人物とストーリーを教えてくれるいわずと知れた名作。徳の高いお坊さんが空腹になったときウサギが火をつけてその身をささげた逸話や、ブッダが出家するときに息子の存在が障害になったことから息子にラーフラ(障害)と名前をつけた逸話など、本作でも取り扱う逸話がたくさん。図書館でも取り扱っている。

2、キリスト教に関する本や映像を一個。

 大体キリスト教の礼拝や、キリストが生まれ変わったこと、奇跡で水がワインに変わるネタとか、映画「十戒」のあらすじや最後の晩餐、ノアの箱舟などを押さえておけば大体笑える。正直上野でやってた版画展でのキリスト絵の解説とテレビでやってた最後の晩餐の解説番組くらいしか見たことないけど十分楽しめた。wikipediaもあるイエスの奇跡 - Wikipedia

3、荒川アンダーザブリッジを読む

 作者の奇キャラ芸をどこまでも堪能できる作品。実写化は原作レイプされまくったが、アニメを見るだけでもかなり楽しめる。ここでツボらなかったら見ないほうがいいかも。

4、原作漫画を読む

 ここでようやく原作登場。映画では間のエピソードを省略してあるので急に部屋に仏像が登場したときなどクスクスできる。webの公式サイトのドメインがsaint023だったりするのも小気味よい。

5、森山未來出演の映画を見る

 だいたいヘタレキャラ。

6、レイトショーかファーストデーレディースデーで漫画を見る

 エヴァとかジブリとかサマーウォーズとか見てると、「え、アニメのクオリティ低すぎ!?」と思ってしまうくらい作画は平凡なので1800円位だとなんか高くついたように思える。1500円位で妥当、それ以下だと超得した気分になれる。
7、特典でついてくる漫画を読む
 映画館に入ると特典のおまけ漫画もついてくる。原作ファンならうれしい。知らずにいってもらえたのでさらにうれしかった。
8、映画を声を殺しながら見る
 ここまできたら自分なりに映画を楽しめばいい。ただ前情報があればあるほど笑えるシーンが増えるように作ってある辺りニクい。ほんとに原作ファンの監督やキャストが原作ファンのために作った感じがバリバリでている。世界観を壊さないように映画オリジナルキャラやオリジナルのシーンなどが登場するし、背景に写るモブキャラにもちゃんと工夫がしてあり、いちいち気を聞かせている感がやばい。

9、立川を歩いてみる

 見終わったら聖地めぐりへ。バスも走ってるらしい
スペシャル | 聖☆おにいさん

10、原作の続きを楽しみに待つ

 荒川アンダーザブリッジも含め、次巻が出るのを楽しみに待ちましょう。wkwk