”誰も傷つかない”最上級のノンストップコンテンポラリーエンターテイメント-メディア評-映画「ミロクローゼ」

 話題作だからって見たらひさしぶりに腹抱えて笑える作品に出会った。間違いなく今年最上級。
瞬間瞬間見ている人をわざと置いてけぼりにする物語の構成、訳の分からないストーリー、あべこべな時代背景、キャラの作り方、ヴィヴィッドな色使い、日本映画として象徴的な殺陣と舞台セット、リズミカルなコマ使い、どれをとっても「そうくるんだ!笑」。
関東での上映はもう終わったけれど、話題になれば再上映の可能性もあるのでこれから上映される地域の方々はぜひ足を運んでほしい。もしくは早くDVD化してほしい。初上映が2011年なので海外で販売してるかと思い探したが見つからなかった。
※DVDがようやく出ました

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ミロクローゼ - Wikipedia
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山田孝之主演、石橋監督作品。オーマイキーも勇者ヨシヒコもほとんど見たことなかったが腹を抱えながら最後まで見ることができた。
本作のすごいところは、3つ。日本的なものを描き直す斬新な表現、メタメッセージによって誰も傷つかない展開、それでいて社会風刺など何も盛り込まず極限までエンターテイメントを追求した点だ。
色鮮やかな演出の数々、トレーラーに出てくるようにポップな髪の色のキャラが出てきたかと思いきやモノクロの世界がキャラクター達を覆い、そのまま金色の建物へ誘う。一つむりやり難癖を付けるとしたら中盤からこれでもかと出てくる血しぶきを花びらか何かで表現してほしかった。
それからじっくり見ないと謎が解けない展開、このつくりがうまい。ちょっとしたモノや言葉の伏線どころではない、場面そのものが伏線となり、二重三重の並行した物語を紡ぎ出していく。小判で花を買ったかと思ったら、ライダースーツでバイクに乗り、バーで酒を飲んだかと思ったら浪人姿で時代劇のような長屋を渡り歩く。
まったく訳が分からない展開に、歌やダンスやメッセージなどをこれでもかと言う位にストレートに載せ、それでも「男ってアホだなー」以外の結論が出ない。源氏物語に見るような古き良き日本作品のリデザイン。「パコと魔法の絵本」を見終えた時のような感覚である。
ブログでの評価も探してみたが、出演者の出ている過去の映画をオマージュしたようなシーンも沢山あるようで、素人から玄人まで最後まで飽きずに楽しませてくれる、僕の中では今年最高の作品だった。

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