続・FC2 liveは一晩で77万稼げる

 前々からぼーっと観察を続けているFC2live、先月今月と逮捕者が出たが、その逮捕者とは別に、僕が知ってる中での売り上げ最高記録が出た。前回の記事でこの手の記事が出てきたら終わり、とかなんとか言ってる人がいたけれども、まだまだFC2liveをはじめとしたアダルト産業自体盛り上がっている。なお先日捕まった帽子君事件で、少し過激にやる人やぽろりに敏感な配信者が増えた模様。
 仕組みがわからない方はこちらから先に読んでいただきたい。

アダルトビデオ並みの多ジャンル化

 動物化するポストモダンと言わんばかりに、配信者や配信内容の多ジャンル化がすごいことになっている。巨乳、貧乳、JKや水着やアニメコスプレはもちろん、絡み配信やレズ、乱交、盗撮(風呂やシャワーや寝顔など)、人妻や野外露出(露出度の高い服で出かけるだけで、漫画喫茶が多い。ほかには遊園地、車、デパートの試着室で着替え配信なども含まれる。なお車で露出してたお姉さんも捕まったとの噂)、妊婦、排泄、芸能人(AV女優さん)、アダルト漫画制作配信などすごいことになっている。自動でFC2動画を配信し続けてチップを稼ぐ者もいるし、アイコンと動画セレクトさえちゃんとすれば意外と稼げる様子でもある。

ニコ生主の台頭

 こうした多ジャンル化の流れによりレンタルビデオ屋の店頭と同じ形になると、配信者のチャットレディたちは容姿、ホスピタリティやキャラでほかの配信者と差別化に向かわなければならないのだが、そこにいきなり出てきたのがニコニコ生放送の生主たち。アダルト放送を抜いておっさんがタバコ加えながら話す配信や、別に脱がずにピアノ弾いてるだけなのに人が集まってくる配信者、ボカロやネット動画の歌に合わせてカラオケと変顔をするだけの者などが現れ、閲覧数は常に上位に食い込むようになった。彼らがアダルト配信するのは気が乗ったら脱いだり過激なことをしても許されるから、である。
 視聴者たちにとってそれはギャンブルのように作用する。性欲を持て余して入ったチャットルームで延々愚痴を言ったりカラオケしたりして、「ぬいでほしい」とコメントしようもんならキックアウトやひどいときはアクセス禁止にされてしまう。たまにニコ生主系の配信者の脱いでいる場面を見ることは当たりであり、そうした忍耐の末の興奮状態が配信者への執着を生む。他の配信者たちが簡単に脱げば脱ぐほど、出し惜しみができる配信者に人気が集まる。
 表題の77万も、ニコ生でリスカ配信して一斉を風靡した配信者が有料放送で一時間程度で稼ぎ上げたポイントである。
【カピゴリ】FC2ライブ カピゴリ先輩専用

時給の高い仕事がないのであれば社会保障は風俗に負けている

 基本的に配信者の配信は業者が介入して行われる。絡み配信と言われる性行為を含む配信も、顔を隠した入れ墨の入った男性たちが行うことが多い。配信場所の提供やカメラ、照明の手配、見せ方の指導、twitterなどの活用の仕方の指導、ものによっては男優の手配、その業者の女の子専用のサイトをつくったりもする。そうしてマージンを2〜3割、多いときで5割取り上げるとのこと。やはり照明のあて方や色一つでも集まる人数が桁違いに変わってくるので、ポイントで稼ぎたい配信者にとってはバカにできないところではある。
 配信者に対して、体晒して金稼いでばかじゃねーの?という声もあるが、未だにマスクをつけたままでポイントを稼いでいる配信者もいるし、下手な風俗より接触しない分リスクが低いというのもある。短時間でこれだけ稼げる仕事や女性が働ける環境が整備されてない中、FC2の配信は下手すれば2時間程度で5〜6万稼げてしまう構造になっており、非常に割のよい仕事となっている。日常的に自慰行為をする女性であれば、ネガティブなコメントを気にしなければいっそ見せてしまった方が二倍三倍おいしいということになる。シングルマザーが増える中、子供を寝かしつけたり幼稚園でいない時間にぱっと稼げてしまう、それでいて従来の風俗とは違いカメラなどを工夫すれば多少年齢が上でも決して価値は落ちない。そうした社会への参入や復帰の選択肢が少ないことと性風俗は裏表であることも念頭に置く必要がある。暇だから、友達がいないなどの理由で配信しにくる配信者も中にはもちろんいるのである。

情報化社会の性欲のスリルゲーム化

 結局FC2はこの半年で配信者がカテゴライズされてしまいオリジナリティを出す、無料でも十分楽しめるため顧客層は広がっている。かつ競売の原理のように、チップをいくら払ったかが可視化されるため、いくら出すかという競争がはじまり、それが興奮を加速させる。以前背徳感が性的興奮のベースだという話をしたが、背徳的な状況が当たり前になってしまうと、次第にルールのぎりぎりをいかに責めるか、と言ったところで興奮を覚えるようになり、やがてそれはチキンレース化したスリルゲームとなる。たとえばM字開脚をしながらティッシュ一枚で局部を見えないようにしてみたり、カメラワークを巧みに工夫してみたり「普通は人に安易に見せないモノを見せる」「見えてはいけないものが見える」といった背徳感を求めることが彼らの行動原理になる。すぐ脱ぐ人が脱いでも面白くないのである。普段脱がない人が脱ぐことが、背徳感を担保する前提条件となる。個人的に面白かったのは絡み配信時に受験のときに赤いラインマーカーを隠すカラー下敷きを使って疑似モザイクを作り出していた手法である。こうしたグレーゾーンであるが自主規制しているといった所に多くのリスナーは興奮を覚えるし、熟練したリスナーはより過激で斬新な配信を求めコメントをする。逮捕される危険を冒してまで配信をする、というのはリスナーに取っては格好の興奮材料であるし、ルールをつくって罰則を強化しろ、なんて言っているやつは性欲が強いとしか思えなくなってくる。
 ある程度お金が貯まったらバイトをやめるように卒業や復帰などのイベントも発生する。卒業時には脱がないのに投げ銭が降ってきたりするところも含めて、リスナーたちは配信者の日常と非日常を行き来することに価値を見出すのである。

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