みらいのみらいのお話--メディア評-映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

 もう本作の公正な評価なんて出来ない。サブタイトル「ヱヴァンゲリオン:3.0 you can (not)redo」どおりやり直せないところまできているので完結を待ってからの評価しかしようがない。公開2日目に見に行ったが2〜3週間くらい考えてもろくな考察がうかばないため何も書かないことを決めた。


 何だこりゃあと思ったけど本作こそスピンオフであり旧エヴァファン向けの追悼作品なんだね。ファン達の設定の解釈を巡る冒険は長らく<過去>を見ることでしかなかった。ようやく、ヱヴァはエヴァにありそうな未来を描いてくれた。テレビ版25-26話の、無限ループで終わらなかった物語の続きを書こうとしたときどんな風にエヴァが動き出すのか。新キャラ、新メカ、新設定、BL、自己決定版シンジ君が時折見せる正義感ストーカー魂と空回りによって惨状がさらに加速していく描写など、映画らしく社会風刺も忘れない。そして公開のお祭り感。昔のアニオタクラスタにいていま管理職とかになってろくにwebに顔を出さない人たちが顔を出して同窓会のような風情すら現象として表れる。このままエヴァ完結が先かブラック労働で彼らが死ぬのが先か勝負所だ。
 しかし本作、謎が多すぎてバズをねらったどころか内容に対する考察しかさせてくれない。答えあわせはよ、の声が響き続ける。劇場で見たあと若い子達がわけわからず口々に「グロかったね」とだけ感想を口にしていたのが面白かった。前作やテレビ版見ないとわからないこと多いよね。そして旧ファンに何かを言わせようとしている作品である以上批評したら開いての思うつぼなので何も言えない。展開上どちらかと言うと本作の方がQだったんじゃないかと思わんでもないことくらいしか指摘することがない。考察サイトや解説サイトが沢山出ているので考察している人たちを分析する方が楽しい気がする。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」考察サイトまとめ - NAVER まとめ
FAQ - ヱヴァンゲリヲン新劇場版検証スレまとめwiki
D
 内容以外の作品自体について言及するとすれば、エヴァはテレビ版で独創性を追求し、劇場版でキメラ化を図って来た。今回飲み込んだのはタツノコプロである(実は前作やテレビ版からいたけど)。ヤッターマンでありタイバニであり「C」である。華麗なCG演出でヱヴァの世界を幾何学で虹色の世界にしてくれた。れいんぼー。カヲル君と星空見上げるシーンとかよかったよね
 早速来年公開と言う文言が消えた次回作のタイトルも気になる。「:||」は顔文字なのかバーコードなのか「旧」という文字からヨをとったものなのか。バーコードなら太さ的に1000111くらいなので64+4+2+1で71ということになる。キャラクターコードだとshift-jisで「G」、つまり次回作の謎を解く鍵は「G」にある! Ω<な、なんだってー!?
と適当なことを書いて楽しさを再認識しつつ。エントリを締めよう。